地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、那須塩原市地域ポータル「きらきらホットなすしおばら」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

那須塩原市地域ポータル「きらきらホットなすしおばら」

那須塩原ブランド

那須塩原ブランド

高原ほうれん草(生産農家) 君島孝男さん

那須塩原の高原で育った、瑞々しい夏のほうれんそう

2015/09/17

提供:那須塩原市
冬穫りが一般的なほうれんそうを、標高800~1000mの那須塩原の高冷地で育てあげ、夏に収穫して出荷する、その名も『高原ほうれんそう』。

収穫まっさかりの8月に那須塩原の高原を訪れ、生産に至るまでの歴史、栽培の工夫や苦労、その特徴を活かした美味しい調理の仕方まで、生産農家の君島孝男さんにお話を伺ってきました。

『高原だいこん』に追いつき追い越せ

この日の栃木県の気温は35度を超える猛暑日でしたが、那須塩原の高原にたどり着くと少し涼しく感じました。

どうしてこの地で、ほうれんそうを生産するようになったのでしょうか?

「那須塩原の高原では、多くの栃木県民に支持されている『高原だいこん』を生産していました。こちらは大変人気がありましたが、天候に左右されがちな露地栽培のため、不安定な生産となっていました。

約40年前、それに代わる高原野菜として、5月~11月中に4回収穫ができ、安定した価格での販売が可能、軽量で作業がしやすいほうれんそうに白羽の矢が立ちます。
30年前からは、県の補助事業で雨除けのパイプハウスを本格的に導入し、現在は約20名の生産者が夏穫りのほうれんそうを育てています」

君島さんのパイプハウスは1.5ha、地域全体では30haにもおよび、葉もの野菜ではありえないほどの広大な土地で生産しています。

栽培の工夫や苦労はありますか?

「ほうれんそうは高温多湿を嫌うため、夏は涼しく爽やかな那須塩原の高原での栽培に適した野菜です。高原ならではの朝晩の温度差、さわやかな水、空気、大地を活用し、雨除けのパイプハウスを利用して安定した生産を行っています。
しかし、近年の地球温暖化にともない那須塩原の高原の気温も以前より高くなり、栽培の際の灌水にはかなり気を配っています」


『高原だいこん』のように市民や県民に支持される商品を目指して、那須塩原の高原の生産者一同、日々奮闘しているようです。

『高原ほうれんそう』のブランド化について

「このほうれんそうの特徴は、葉の大きさやボリューム感、瑞々しさにあります。
“ほうれんそう=冬の作物”という一般的なイメージとの差別化と『高原ほうれんそう』の認知度を高めるために、 5年前に那須塩原ブランドに申請し、認定を受けました」

現在、夏場の東京に出回っている栃木産のほうれんそうは、ほとんどがこの『高原ほうれんそう』だそうです。東京の人も知らぬ間に『高原ほうれんそう』の名前を目にし、その美味しさに魅了されているのかもしれません。

収穫の仕方を君島さんにお聞きしました。

「収穫は25~26cmの規格を目安に、小さな鎌を使って1株ずつ丁寧に、すべて手作業で行います。いらない葉の部分を切り分け、200gごとの束にしながら、カゴに入れていきます」

この日収穫していた君島さん達は、慣れた手つきでほうれんそうを刈り取り、あっという間に作業を終えていました。パイプハウスは上に日よけをかけることで直射日光を避け、作業がしやすいという利点も見出せます。
緑の濃い品を選定し、生産者名を明記してパッケージ化し、出荷に至ります。すべてが手作業のため、かなりの延べ雇用人数となり、地域雇用にも寄与しているそうです。

さっと茹でてシャキシャキ感を楽しむ

自慢のほうれんそうの美味しい食べ方を教えてください。

「『おひたし』や『バター炒め』など、素材を活かしたシンプルな料理が美味しいです。調理の際は“茹で過ぎない”“炒め過ぎない”ことがポイントです。その方が『高原ほうれんそう』本来のシャキシャキ感や瑞々しさ、甘さを楽しめます。さっとお湯にくぐらせる『しゃぶしゃぶ』もいいかもしれませんね」

この『高原ほうれんそう』を地元の給食メニューに取り入れたり、地産地消の動きがさらに活発化してくれれば嬉しい、と君島さんは語っていました。


まずは栃木県民に支持され、東京から全国に『高原ほうれんそう』の名前と美味しさを伝えられるように、これからも那須塩原ブランドのほうれんそうの出荷は続きます。
那須塩原ブランド認定品一覧に戻ります。
「高原ほうれんそう」紹介ページに戻ります。