塩原温泉の新しいご当地グルメ『とて焼』は、クレープのようでクレープとは違い、スポンジ生地で甘味や具材を包んだ、歩きながら食べられるワンハンドフード。

『とて焼』ってスイーツ？食事？という素朴な疑問から、誕生までの経緯、ネーミングの由来、独特な生地とその美味しさの秘密まで、当初からの中心メンバーである今井屋製菓の塩田和正さんにお話を伺ってきました。

塩原温泉の老舗和菓子店・今井屋製菓さんを訪れたのは観光シーズン本番の8月。
温泉地の『温泉まんじゅう』は有名ですが、『とて焼』というのはどんな食べ物なのでしょうか？


「『とて焼』というのは、クレープ生地とは違い、スポンジ生地をラッパ型にして、参加店ごとにオリジナルの具材を包んで巻いた食べ物です。

参加店は塩原温泉地域限定で、うちのような和菓子屋から青果店、そば屋、寿司屋、割烹旅館など、お店の特徴を活かした具材で、スイーツ系から食事系まで様々な『とて焼』が存在します。

東日本大震災の影響で観光客が減り、塩原温泉に人を呼ぶきっかけになればと商工会で開発した商品です。

（1）歩きながら食べられる商品（2）多くのお店が参加できる商品（3）地元の人が食べたくなる商品、この3つの条件に合わせてこのような形になりました」

ここまでお話を聞いて、その味がますます気になるところ。
百聞は一見にしかず、ならぬ百聞は一食にしかず！
今井屋製菓さん自慢の『ふんわりロールとて』をごちそうになりました。

大きさは片手で持ちやすい12cmくらい。
ふんわり厚めのとて生地で、生クリームとつぶ餡を包んでラッパ型に巻いた和菓子屋さんならではの『とて焼』は、まさに上質な和スイーツ。
カステラとどら焼きの中間のような和風生地に生クリームとつぶ餡がよく合います。
食べ進んでいくと下から抹茶の寒天が現れて、食感や味が変わっていくところも面白い。
クレープとはかなり違う新しい食べ物のように感じました。

現在、塩原温泉では和菓子屋や飲食店など計13店が参加している『とて焼』。
今回いただいたスイーツ系のほか、そばや寿司などを包んだ食事系の『とて焼』の味も気になるところです。

あくまで“塩原温泉に来ないと食べられない”ことにこだわり、塩原温泉の観光名物のひとつとして定着化を目指していると語る塩田さん。那須塩原ブランドの認定を受け、地元の方や観光客からの嬉しい反響に確かな手ごたえを感じています。
『とて焼』を片手に塩原温泉の温泉街や川辺を散策するもよし、『とて焼』ののぼり旗を目印に参加13店をまわるもよし。楽しいスタンプラリー（とてはしご）もやっています。

『とて焼』の最新情報は
塩原温泉郷公式ホームページをご覧ください。