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きらきらチャレン人

【若き酪農家】 菊地 啓介さん

~「酪農3K」を変える!~

2016/10/14


今回、ご紹介する『チャレン人』は、23歳の若き酪農家、菊地 啓介さんです。

北海道へ酪農を学びに行き、昨年4月より実家の牧場の3代目として働き始めました。

啓介さんは、その若さを感じさせないほどしっかりとした酪農への想いを抱き、新しい酪農スタイルを追求しています。


若き酪農家の誕生

「好きなこと」を仕事に

啓介さんは4人兄弟姉妹の末っ子。

物心ついたときから動物が大好きだった啓介さんは、昔から牛舎にいることが好きだったそうです。

さらに、お父さんが運転するトラクターも好きだったことなどから、自然と「将来、自分は酪農家になるんだな」と思っていたのだとか。

ご両親は家業を継ぐことを強要せず、「自分の好きなことをやっていいんだよ」と言って啓介さんたちを育ててくれたそうです。

その言葉通り、兄姉はそれぞれ好きな道に進んだのだとか。
そして、啓介さんも同じく『好きなこと』として、酪農家の道に進んだそうです。

人生の師から譲り受けた宝物

啓介さんは、菊地家の牧場をより良い牧場にしていくため、北海道の帯広畜産大学へ入学し、酪農について学びました。

そして、大学で勉強する傍ら、牧場でアルバイトをしながら実践経験を積んだそうです。

実は啓介さんは、その牧場の親方のことを北海道へ行く以前からインターネットを通して知り、尊敬していたのだとか。

北海道でお会いする機会があり、念願叶って牧場で働かせて頂けることになったそうです。

啓介さんは、その親方から酪農のことだけに関わらず、人生哲学のようなものも教えてもらい、「これまでの人生で出会った中で一番影響を受けた人物です」と語って下さいました。

そして、2年間の学習が終わり、那須塩原市に帰ってくる際に、啓介さんはその牧場から“特別な牛”を連れて帰りました。

その牛の名は「ジャネット」。
ジャネットは、その牧場でとても長生きしている牛の子どもで、その家系はみんな長生きをしているそうです。

「長生きする牛」は、すなわち「病気になりにくい牛」でもあるため、酪農経営において一番求められる牛です。

啓介さんは「ジャネットはうちの牧場を変えてくれる一頭だ」という希望を込め、お金を貯めて買ったのだとか。

「自分が若い時だったら絶対に譲らなかった」という貴重な牛を、格安で譲ってくれた親方の好意に、啓介さんは本当に感謝しているといいます。

良い牛乳をたくさん出すために!

牛乳は『母乳』

酪農経営において一番影響を及ぼすのは、『妊娠・分娩』だそうです。
なぜなら、牛乳は『母乳』だからです。

啓介さんは、「私たちは、母乳のおこぼれを頂いているんです」といいます。

母乳は妊娠・分娩することで出るようになり、さらに牛は出産を経験するほど母乳を出す量が増えるそうです。

つまり酪農経営においては、『スムーズに妊娠・分娩を繰り返していくこと』こそが、牛乳の生産量を上げる方法となります。

そのため、「繁殖は酪農を制する」という言葉もあるのだとか。

十牛十色

無事に妊娠・分娩をするするためには、常に牛が健康でいてくれることが大切です。

そのために重要となってくるのが、『観察』『分析』だと啓介さんはいいます。

牛も人間と同じように、それぞれ性格や体質などに違いがあり、全ての牛に対して同じ飼育をして、みんなが無事に妊娠・分娩をしてくれるわけではないそうです。

そのため、日頃からよく『観察』をすることで、それぞれの牛の体質や状況を見極め、それに合わせた飼育をすることが重要だといいます。

啓介さんは、それらの事を常に心がけているため、全ての牛の識別番号、名前、性格、体質、いつ分娩したかをすぐに答えることができます。

しかし、細心の注意を払っていても、生き物であるからには病気になってしまうこともあります。
そんな時こそ、毎回『分析』をして原因を突き止め、それを次に繋げることこそが重要だと啓介さんはいいます。

美味しい牛乳

さらに、啓介さんは「牛乳の質」にもこだわります。

昨年10月から牛の管理を完全に任され、全て自分のやり方
に変えたそうです。

飼料であるトウモロコシの発酵の状態で牛乳の質が変わるため、美味しい牛乳をつくるためにその調整方法にもこだわっています。

そして今、その結果が徐々に表れ始めているのだとか。

こうして菊地家の牧場でとれたその美味しい牛乳は
『那須だいすき牛乳』になります!!

新しい『酪農3K』を目指して

菊地家の牧場は、西那須野地区三島の街の中にあります。

昔は田んぼだった牧場周辺には次々と家が建ち、今では住宅地となりました。
そのため、新しい住民の方に対して、匂いなど大変配慮しているそうです。

住宅地の周辺で酪農を営むというのは、立地条件的には良いわけではありません。

しかし、啓介さんはそういった環境で酪農をやる意味を考えたとき、その発想を逆転することができたのだといいます。

「これだけ消費者のみなさんに近いところでやっているのだから、牛乳を生産する過程や良い牛乳を搾るために、日々こうやって頑張っているという事を見て頂くことができる。そういったことを発信していく牧場にしよう!」と思ったそうです。

さらに啓介さんは、酪農に対するイメージも変えたいといいます。

それは、啓介さん自身のコンプレックスでもあった『酪農3K』といわれるつい」「たない」「さい」という悪いイメージ。

それを、っこいい」「れい」「動できる」のような、良いイメージの3Kに変えたいといいます。

その目標に向かい、啓介さんはすでに様々なことに取り組んでいます。

匂いを吸着する効果のある「炭」を餌に混ぜ、糞の匂いを軽減させているのだとか。
「炭」には腸内で乳酸菌を増やす効果もあるため、牛の健康状態が良くなり、牛乳の質にも影響をするそうです。

さらに、牧場の裏にはスーパーがあることから、糞尿の移動はスーパーが休みの日に移動するなど、工夫をしているそうです。

みんなから見える牧場だからこそ、ダイレクトにイメージを変えることができる。
啓介さんは、いつでも、だれでも遊びに来てくださいとおっしゃって下さいました。

むすびに

昔の牛と比べ、現代の牛の体は大きくなってきたといいます。
そのため、現在の牛舎は今の牛たちにとって少々きついそうです。

現在、新しい牛舎に建て直す計画もあり、さらに牛の数も増やしていきたいという意気込みも聞かせて下さいました。

啓介さんの酪農に対する情熱は、必ずや菊地家の牧場を発展させていくことと思います。

そして、『生乳生産本州一』である那須塩原市の酪農界をますます元気にしてくれることでしょう!!

啓介さん、頑張ってください
          ※2016年10月8日放送のRADIO BERRY『チャレンジing那須塩原』でご紹介しました。

RADIO BERRY『チャレンジing那須塩原』ホームページ
http://www.berry.co.jp/nasushiobara/
(PODCASTで聞き逃した放送を聴くことが出来ます。)


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