栃木弁会話
さて、栃木弁会話第3弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。
作成:しおり/ツッコミ:山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。
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(1) ある美容院での会話
推定年齢60台後半と思しきお客と50台の美容師さんの会話
客 : 前髪も少しはぎってくれっけ?
美 : どんぐれーがいいんだい?
客 : ちょうど眉毛の上あたりにしてもらあがな。
美 : そーだわね!そんなくらいきっとがないとすぐ伸びっちまうもんね!
美 : おばちゃん、これ食べな。今朝ふかしたんだよ。
客 : あ~れ、まんじゅうじゃないの。よ~ぐできてるわ。家の嫁はこういうのからきしだめで。あんたまめだわ。
あらすじ
…あるおばさんが美容院に来て、前髪も切って欲しいと依頼。すぐに伸びちゃうから短めに切るというのは、この地域の年配の方には多いのです。
…というのも美容院までの足がない方が多いから。パーマもきつめにかけるのが常道です。
そして、パーマのオカマに入っている間に、お茶や、おやつが出ることも珍しくありません。手まめなのをただの『まめ』とよく言います。
ツッコミ
はぎる、ですか。仙台名物、萩の月を思い出し…出さないって!
(2) ある寒い日の農家の会話1
推定年齢40台後半と思しき夫婦の会話
夫 : あ~さみ!!そろそろあがっか?
妻 : そうだな、日もとっぷりくれっちったしな。もーは何にもみえね。
夫 : (お風呂に入って)・・おめもはやぐこ!こでらんねぞ。
妻 : ほ~んとこでらんね。今日はえらぐびだまったな~。
夫 : は、もうおら明日はパチンコさいぐべ。
妻 : まだ言ってら!だめだよ明日は大根干すんだから。
夫 : ‥‥
あらすじ
寒い、寒い。もうそろそろ仕事上がろうよ。
もう何も見えなくなってきちゃったね。こでらんねは、たまらないの意。至福の意味があります。
…このお父さんは寒いところで冷えた体を温めるのと、おかあちゃんと一緒にお風呂に入るのがこでらんねみたいでした。
でも明日は、パチンコに逃げるつもりが却下されてしまったんですね。
びだまったな:疲れた
ツッコミ
てやんでぃ!いくつの方か分かりませんが混浴たぁ仲のイイこった!
(3) ある寒い日の農家の会話2
推定年齢70台と思しき友人同志の会話
おばちゃんA : はやぐ芋掘っちゃわねーと霜げっちゃ-わな。
おばちゃんB : そうだわな。おらげも昨日掘ったんだ。ちーっとしみってたわ。
おばちゃんA : やっぱりそうげ。霜げっちゃ-といぐらも食うとこなくなったーがんね。
おばちゃんB : そうだわ。あんたんとこ、孫家にいっぺ。手伝わせればいがんべ。
おばちゃんA : なーにが手伝うよ。あでんなんね。
おばちゃんB : ほんでもごっことやっちまーわなくちゃな。
あらすじ
栃木は霜の降りるのが早く、山沿いでは10月後半で降りてきます。
その前に野菜は収穫をするのですね!
『霜げる』は、霜にあたり、作物が変色し、食べられなくなる事です。
…田舎にいる若者の大半は、会社に勤めており、畑仕事を手伝いたがりません。確実に専業農家が減ってきているのですね。
ツッコミ
会社の方々からたまに野菜を貰います…マイ畑所有者が多いのでしょう。
助かります。ありがとう…みなさん…
(4) あるおばあちゃんと孫の会話
推定年齢70台おばあちゃんと孫(19歳)の会話
おばちゃん : いんやなんだいすんごいなや。
孫(19歳) : 何がすごいんだい?
おばちゃん : おめのそのビンゴだよ。ずいぶんながいビンゴだと思ってな~
孫(19歳) : かっこよがんべ~ばあちゃんにはわがんねの!!
あらすじ
おばあちゃんが孫のひげ(もみ上げ)をみて驚いた様子。お年よりと若者の価値観の違いは、万国共通ですがね!
ツッコミ
あと一つで穴があいて揃う状態ですな。わてはもみあげがビンゴだなんて認めませんぞ!
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。