栃木弁講座
さて、前回の講座での反響は、『おら、こんなこといわねど』とのお叱りをうけたり、『ここんとこすっかり栃木弁つかってなかったから、思い出しておかしかった。』などのコメントの数々。とりあえず、第2回目のレッスンということで。また、新たな発見をして下さい。
やどん (感嘆詞) --> いや~どうもとか、うっそ~とかの接頭語
[活用法] や!ど~ん車ぶつけられっちったよ。
すっぺ (動詞) --> ~をしよう。Let's~
[活用法] かくれんぼすっぺ。
やっぺ (動詞) --> する。 Let's do~
[活用法] はやくやっぺよ
いで (形容詞) --> 痛い。瞬間的に用いられる言葉。スタッカートで。
[活用法] いで!蜂に刺されっちったよ。
おごれ (動詞) --> ~を下さい。もらう場合と買う場合両方に用いられる。
[活用法] おばちゃ~ん、あんぱんおごれ。
ちんにぐる (動詞) --> つねる。つねるより、もっと痛いニュアンスを伴う。
[活用法] あ~ん、にいちゃんがちんにぐったよ。
おどもり (名詞) --> こもり、子供の面倒をみること。
[活用法] 妹のおどもりしてえらいねぇ
こ (動詞) --> おいで。Come
[活用法] 明日うちさこ。
やだがんね (名詞) --> いや。拒絶
[活用法] そんな服着んのなんてやだがんね。
はぎる (動詞) --> あら髪切ったの?
[活用法] あれ~頭はぎったの?
じゃーぼ (名詞) --> 葬式(お坊さんがジャーン、ボーンと鳴らしたからだそうな)
[活用法] 今日家の組内でじゃーぼなんだわ。
せな (名詞) --> 兄上、主に義理の兄を呼ぶときに用いられる。
[活用法] 那須のせな!ま、一杯のんどくれ。
ぐじゃっこ (名詞) --> ぬかるみ
[活用法] あ~あ、ぐじゃっこさ入っちゃったよ。
わっち (名詞) --> おばさんで自分をこう呼ぶ人がいる。栃木じゃなくても使うかも。
[活用法] そんなごと、わっちはしんね。(そんなこと私は知らない。)
や~いついつい (形容動詞) --> 何と説明していいか。恥ずかしいことをした時のたしなめの言葉。人差し指を曲げながら言うと効果的。
[活用法] やーいついつい!まだママにだっこしてら、
■ある日の会話 (ケース1) ひさし君(中1)親子の会話
父 : お~ひさし、犬め散歩さつれでげや。
(標準語訳 : おい、ひさし、犬を散歩に連れて行ってくれ。)
子 : や~だよ。おら宿題あんだがんね。
(標準語訳 : 嫌だよ。僕宿題があるから。)
父 : 何言ってんだ、テレビみしてるだげだんべ!
(標準語訳 : 何言ってるんだ、テレビを見ているだけだろう!)
子 : 今やっぺとおもっでだんだよ。
(標準語訳 : 今はじめようと思っていたところだよ。)
父 : しゃーねーな、まったぐ。いづもこううなんだがら!ほら、犬め、こっちさこ!ほら!
(標準語訳 : しょうがないな、まったく。いつもこうなんだから!さあポチ(仮)、こっちへおいで!)
■ある日N課長に外線が…(ケース2)
N課長 : もしもし あっど~もおせわになってますぅ。
(標準語訳 : もしもし、あ、どうもおせわになっております。)
得意先 : …
N課長 : うん。そうなんだわ。知ってだげ?…
(標準語訳 : はい、そうなんです。知ってました?)
得意先 : …
N課長 ほんだげっとよ、部材が入ってこなくちゃどーもなんねごどは確かなんだ。
(標準語訳 : そうなのですが、部材が入ってこないと、どうしようもないことは確かなんです。)
得意先 : …
N課長 : まっ!いろいろあだってみっけっと、今どごも品薄でね~…
(標準語訳 : まぁ、色々当たってみますが、今はどこも品薄で…)
得意先 : …
N課長 : あ~あのビスげあれだらだいじだよ。
(標準語訳 : あぁ、あのビスなら大丈夫です。)
得意先 : …
N課長 : わ~がりました。はい。はい。4箇所ね。はい、じゃまた連絡さしてもらいます。
(標準語訳 : 分かりました。はい、はい4箇所ですね。はい、それではまた連絡致します。)
ポイント
■動物の後ろにめがつくことがよくあります。猫は、ねごめとなります。
年配の男性が主に使いますが、たまにおばちゃんも・・・
■語尾のわは、主に強調形で用いられます。
そうなんだわ!とか、行っちゃったわ!のわをより、強く発音します。
■「かきくけこ」は、「がぎぐげご」に変換しやすいです。
と前回習いましたが、「たちつてと」も同様です。
■N課長は、フィクションで、実在の人物とは、まったく関係がありません。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。