栃木弁会話
さて、栃木弁会話第47弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。
作成:しおり/ツッコミ:山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。
栃木弁講座はこちら
(1) なにしてんのよ!勉強しないで!
かーちゃん : だれだ!こんなにぶっちらがして!
何だいこれ、脱いだズボンおっぴろげたまんまで。
洗うの?もいっかいはぐのが?
利光 : うるせーな!かーちゃん帰ってくっとうるさいよ。今い~とごなのに。
かーちゃん : か、またゲームか!隣の晃君はじゅぐさ行ったぞ!
利光 : 晃は晃!俺は俺!よのながなるようにしかなんねがら。
かーちゃん : こん、でれすけ!家は私立なんかやれねんだがんな!いっくらおっこる人が少ないっつったって、おめ~がおっこったらしゃれんなんねんだぞ!
解説(しおり)
高校入試を2週間後に控えた親子の会話です。仕事から帰って来ると、学校の制服が脱ぎっぱなし。コタツに寝転んでゲームをしている息子の姿が…。
家では、私立高校に入れる余裕がないんだから、いくら落ちる人が少ないといってもおまえがその落ちる人になったらどうするの?と怒りのピークに達したかーちゃんなのでした。ぶっ散らかすは、かっちらすとも言い、本当に散らかっている様子。でれすけは、大馬鹿!言われるときつい言葉です。
ツッコミ
定員割れしてる所は、点数がダメダメでも受かっちゃったりするんでしょうかね?
(2) ま~ったくついてない
昌子 : 今日は、本当についてない日だった~。
早苗 : どしたのよ?
昌子 : 朝間よ、犬め連れていつもの散歩行ったのよ。したっけ、鎖がぶっきれっちってよ!い~やいやいや、どてっこ全力疾走だんべや。
途中まで追っかけて行ったんだげっとあぎらめた。したっけよ、田村さんとごのおば~ちゃんいっぺ。あの人のごとよぐよぐ吼えたらしいんだわ。こんじわりがんべ!さっそぐ文句ゆいに来たんだわ。
早苗 : 田村のばーさんけ?人が悪がったね。菓子折り持っていぐようだんべ。
昌子 : 頭いて~ずや。お父さんが帰ってきたら行ってもらあべ!
何ゆわれっかわがったもんじゃねぇがらね。
解説(しおり)
昌子さんと早苗さんは近所に住む幼馴染。40代前半専業主婦です。
昌子さんのついていない話は、要約すると朝の犬の散歩の際リードが切れて犬が土手を疾走して逃げ、近くにいたうるさ型のおばあちゃんに激しくしつこく吠え立ててしまった。そのおばあさんが苦情を言いに来たということでした。何を言われるか分からないから菓子折りを持って謝罪に行くとのこと。
しかもお父さんにその役目を押し付ける算段。
ツッコミ
うるさ型のおばあちゃんを吠える。犬も人を見るんですね!…絵は、猫に見えますが
(3) 今年は桜がはやいよ~
誠 : 今年はさぐらはやがんべ~。
入学式どころが、卒業式にはは~さいっちま~べ!
孝夫 : おら、さぐらなんかいつ咲いたってかまね!見にいがねしよ。
それよっかチューリップが開いてくれたほうがなんぼがいいな!
誠 : おめ、よぐ金続くな。おれなんかすぐ小遣いなぐなっちってよ行きたくてもパチンコいげねずや。か~ちゃんにおごられっかんな。
『いぐんだら勝ってこ!』だがんな。プレッシャーだんべ?
孝夫 : ま~さが、ヤンキー上がりの母ちゃんはゆーごどがふるってんな。
解説(しおり)
二人は従兄弟どうし。桜が早いという話からチューリップ(パチンコ)の話に。
誠さんは、パチンコに行くと負けてしまうので小遣いがなくて、行くにいけない。
奥さんがパチンコ行くなら『絶対勝っておいで』と言うのもいけない要因のひとつ。まさかヤンキーだった奥さんは言うことがすごいねと変に感心している孝夫でした。『こ』は、こいの短縮形。
ツッコミ
純粋にチューリップが好きなんだ、と解説読むまで思っていました。
(4) ひーまごとのほのぼの会話
マツ : あれ、あいちゃんほったぶあがいんじゃないの?めなしきれっちったの?
あいちゃん : あいちゃんめなしじゃない。あちゅいだけだよ。おばあちゃん
マツ : ほっか~暑いのか?ほんじゃジャンバーぬいだらいいでしょ?
あいちゃん : だ~め!ママが寒いから着てなさいって言ったから。
マツ : ほっか~ほんじゃしゃーねな。
解説(しおり)
マツはあいちゃんのひーおばあちゃんです。4歳のひ孫がかわゆくて仕方がありません。
『頬が赤いよ。あかぎれになっているんじゃないの?』と心配するマツに対して、ただ暑いだけ。でもママがジャンパーぬいちゃダメというので着ていると。これくらいの年の子にとっては母親の発言が一番なんですね。
ひ孫のことをひー孫と伸ばします。めなし=あかぎれです。(今の子はアカギレにあまりなりませんよね)
ツッコミ
たしかに子供って、たくさん着込んでますよね。親の愛情なんでしょうね!
(5) 夕ごはんにまつわる話
トミ子 : おかあさん!お夕飯何にしよ?そろそろこしゃーがなと思って!
姑 : あ~わっち今日街に出たついでにあぶらげ買ってきたがら。
おいなりさんでもこしゃーが。
トミ子 : あ、そうですか。おいなりさんいいかもね。何個ぶり買ってきたの?
姑 : ひこは10個じゃはらくちくなんめ。50枚買ってきたから、100個つくれるわ。
ご飯大目に炊いどごれ。
解説(しおり)
トミ子とお姑さんのオーディナリーな会話です。『あぶらげ』とは、油揚げのことです。
縮めて言う言葉も栃木には多いですよ。『おいなりさんをこしゃう』は、おいなりさんを作るということ。
姑は50枚、100個分買ってきたといっていますよ。『何個ぶり』は何個分です。
ツッコミ
100個!まさか、一度に100個作成するわけじゃないですよね???
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。