栃木弁会話
(1) 忘れっちったの?
解説(しおり)
会社の休み時間のひとコマです。山根さんがご主人とスーパーで買い物をしたときの事です。
かごふたつ分買い物をして、ひとかご分お店に忘れちゃったんですね。
家に帰ってから、お互いのせいににしてケンかになってしまったとか。人のせいにすることをかっつけると言います。お互いにすることをかっつげっこと言います。
ツッコミ
それはとーちゃんが悪いです。
(2) なんだい!あの嫁
小川さん : あんたんちの二男坊の嫁、気がきかねな~!どっかとぶちかったまんまうごがねんじゃね~の。あんたなんかいわねの?
キヨ : いわね~。は~あぎらめた。その分長男坊の嫁は顔もかわいいし、気も聞くいい嫁だがら。
小川さん : ほんだって、じーちゃんの初盆様なのに身内だんべや。なんでぶちかったまんま飲んだり食ったりしてんだい?おら、人事だげっと気にいんねな。
キヨ : 今の若い人に常識は通じね。元気で孫育ててくれたらもうそれでいいよ。
小川さん : あんたりっぱだわ。よぐがまんしてる。
解説(しおり)
新盆のおよばれの時に近所の小川さんが、キヨさんの二男の嫁について苦言を呈しています。
手伝うどころか、お客様に混じって座り、飲み食いしているのを見て驚いたんですね。キヨさんは、もう何も言わない。元気で孫を育ててくれればよいと言っていました。我慢強いなと感心することしきり。
ツッコミ
最近の嫁ってやつですかね。
(3) 蚊にやられた!
娘 : いや~!かんかんめにやられた!見てよこれ!こんなにくわれっちった。
父 : まごまごしてっからよ。おらひとっつも食われねど。
娘 : ほんじゃ、お父さんは機敏なんけ?
父 : ほだんびや。かんかんめにも隙をみせね~よ。
娘 : 私の血はおいしいからだよ。
父 : ……
(4) 初盆様
生田目さん : いや~今年の初盆はたいへんだったよ。200個お返し用意してたのによ。来るわ、来るわよ~。お返しがたんねぐなっちってよ、追加注文2回もしたずや。
森谷さん : あ~、お父さんの初盆だったんだね。そんなに来てくれたんだ。
お父さん付き合い広がったがんね。
生田目さん : じゃーぼの参列者の6割っつーのが目安らしーんだげっとな。
森谷さん : いがんべ~。
あんたげとつきあいたい人がいっぱいいるっつーごどなんだがら。
生田目さん : それはそだがしんねげっとな。
解説(しおり)
この1年以内に亡くなった方のはじめてのお盆には、親類、縁者がお線香をあげに来ます。
この地方では振舞い酒や、参列お礼などがあり、一大行事となります。300人近くがお参りに来ると結構たいへんですよね。『それはそだがしんねげっとな』は、それはそうかもしれないけどねの意味ですよ。
ツッコミ
初盆のお参りに行く方で15件という人もいました。
(5) 北京オリンピック
幸恵 : あんた、男子の100m見たげ?
智子 : 見たよ!雷様みたいな名前の人でしょ?金メダル取ったの。
幸恵 : らいさま?あ~ボルトね。いや~ゴール近くはわぎっちょの方見てたぐらいにしてたげっと、あれでも世界新なんだわな。すげなや~
智子 : すげな~。女子の方は3人ともジャマイカな。すげな~。
やっぱし獣におっかげられたりしてんのがな?
幸恵 : アフリカじゃね~がらそれはね~べ。やっぱり食ってるものが違うんだよ。
解説(しおり)
ジャマイカのボルトを雷みたいな名前と言っている二人は、子供が友人のPTA仲間。
ジャマイカでは獣を追いかけてるから、足が速くなってしまうのかとか、食べているものが違うとか言っていますが。何の根拠もありません。すげな~を連発していましたが、すごいねのことですよ。念のため。
ツッコミ
ラテンな感じだから早いのでしょうかね?
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。