栃木弁会話
さて、栃木弁会話第17弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。
作成:しおり/ツッコミ:山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。
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(1) おれおれ詐欺の現場にて
農○さん : こんちわー。おばちゃんいたげー?
おばあちゃん : 『はい、はい、わがったよ。心配すんな、だーいじだがら、それよっかおめぇ身体の方は何ともねえの?…』
『わがった。250万円だな。なに?口座番号がいつもと違う?うん、うん、わがったがら。農○さ行って今日のうちに振り込んでやるよ』
『誰にもゆわねがらだいじだよ!』
農○さん : おばちゃん、ちょっと電話貸して!
『あ~おれ、従兄弟の孝だげっと!どしたんだい?』
電話の声 : 『たがしあんちゃんけ?しばらぐだね~』
農○さん : おばちゃん!これおれおれ詐欺って言うやつだわ。
お孫さんに電話してみな。交通事故になんて遭ってないはずだから。
ここんちに孝なんて親戚いないでしょ!あ~しばらくなんて言ってたよ。
おばあちゃん : え~そうなの?おらげの東京の学校さ行ってる孫の声にそっくりだったげっと。車にのってねえのに事故起こしたっていうがらおかしいとは思ってたんだけど。いや、農○さんちょうどいてくれてよかったわ。
解説(しおり)
最近になって、この地域にもおれおれ詐欺の被害にあっている方の話を聞きます。
このお宅はおばあちゃんが詐欺の電話を受けている最中に出入りの農○さんが居合わせ、事件を未然に防いだということがありました。
ツッコミ
未だにいたんですね…こういったことは、他の地域と花の開花以上に差が出るものですね。
(2) 犬のいる家庭での会話
敏子 : いやーよ、うちのラッキー(メス3歳)んとこに最近道向こうんちで飼ってるでっかいのが来てちょっかいだし てしゃーねーんだずや。
里美 : オスげ?
敏子 : そーだ。いーや 、いやいや、でっけーのなんのって、後ろ足で立ったくれおらげのと ーちゃんよりでっかいんだぞ。
何つったけな、あ!ボルゾイっていったわ。高そうな犬なんだわ。
里美 : へー。このガラスのあしっこそっけ?
敏子 : そーだそーだ!かなり上の方までついてっぺ!
おらげのガラス、すりガラスだずやまったく!
里美 : 高級な犬がフラフラしてで、誰ももってっちゃーねんだんべがね。
解説(しおり)
動物の世界は春真っ最中なんですね。最近犬飼っている人多いですよね。
ボルゾイとかってあまり見ないけど敏子さん宅の近所では放し飼いになっていたんです。
『あしっこ』とは足跡のこと。ずいぶん使っていない言葉でした。
ボルゾイのは、かなり高い位置にまでその足跡がついており、透明なサッシ窓があたかもすりガラスのようになってしまっていました。
ツッコミ
『あしっこ』とは足跡のこと。ずいぶん使っていない言葉でした。
…ずいぶんどころか、初聞きですぜ。
(3) あるレストランでの会話
父 : どーれどれ、何があんだい?
母 : おとーさん、飲み物何にするい?あそこにいーっぱいならんでっから持ってくっから。あったかいの?冷たいの?
娘 : だめだよ、いっぱいあったって頼んでからだなくちゃ。
母 : かーまめ!どうせ金払うんだから。
父 : おれはビール!
母 : ほんじゃビールついでくっから!
娘 : ドリンクバイキングって言ってもビールは、ねーよ!
はーもう一緒にこねーがら。ったくはずがしー。
解説
20代と思しき娘さんが、両親をファミレスに連れて来ました。始めて来たお母さんは大はしゃぎ。
ドリンクがたくさん並んでいるのを見て早く取ってきたい様子。でもオーダーをしてから !と娘さん。
恥ずかしいと言ってもう一緒に来たくないと…
ツッコミ
ドリンクバーで、ティーパックをポケット一杯にいただいてきたりした…(〃▽〃)
(4) ある夏祭り準備委員会での会話
会長 : ここの地域は、祭り会場から一番近いくせにいっつも不参加だと他の自治会からゆわれっちってんだげど。今年はどーしたらよかんべね?
A : 『子供みこし』っていう案が出てんですよね。
でも、みこしをつくっとこからやんなくちゃだめなんだよね。
B : だーれが作れんだい?そんなの?
C : 子供にとっては、いい思い出だけど親が大変な思いするのは~。
しかもその日は、学校で5,6年生の行事が入っているんですよ!
会長 : ほんじゃ、わりきっと今年も不参加にさしてもらーべ!
A : そだわね~。来年の役員さんに来年は参加するようにゆっとかなくちゃね!
解説
ある子供育成会での会話です。年間行事計画のワンシーン。
地方都市でも地域によってイベントの参加率の悪い地域があります。
新興住宅地のゾーンなどがそうですが、元からいる人々と都会から来た方とでは考えが違うようで。
基本的にみんなで汗を流すとか言うのはまとまりにくい現状のようです。
ちなみにCさんは越してきたばかりの方です。
ツッコミ
基本的にみんなで汗を流す
熱血ですね。やはりこちらの地域のように、人情あふれるようにはいかないのでしょうか…
あ、『わりきっと』は『悪いけど』の意ですね。
(5) ある会社での会話
亀田 : あれ!新聞記事ぶってんの?
平山 : え!!どうして?
亀田 : スキャンして文字変換すればたじまじだんべや!
平山 : え!そうなんですか~
亀田 : スキャナーについてたCDぶちこんでみ。だめだったら、マー坊にぶだせっから。
あいつ、ぶつの早いみてーだがら。
平山 : あ、はい。
解説
ぶつは、キーボードを打つの意。
スキャナーについてるこの機能を知らないで長文を打っていた平山さんにとっては朗報でした。この機能がだめであれば、新入社員のマー坊に代わりに打ち込みをやらせるとこれまたうれしいオファーでした。
ツッコミ
ぶつ、ではなく『ぶづ』と言ってる方のような…(内輪ネタだったりする)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。