栃木弁会話
さて、栃木弁会話第50弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。(2007/5/1)
作成:しおり/ツッコミ:山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。
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(1) 結婚が決まった!
アイ子 : 山本さんとのこのせがれよ、嫁さん決まったみたいで、
今日口がためなんだと!
清美 : あれ~そ~け!!よかったんだないの。これでよっちゃんも安心したんべ。
アイ子 : そだわな~。あのせがれ一時は、ひで~ぐれていたもんね。
しまずんなんねがったんべや。
清美 : 今は、ひとあたりよ~くなってんだわ。いい嫁さんなんだんべきっと。
解説(しおり)
口がためとは、結納のことです。同じ組内の山本さんの息子さんが結婚が決まったことで噂話に花が咲いています。
学生時代は、目つきの鋭い怖いあんちゃんだったようですよ。今では人当たりがよくなったので、今度お嫁さんになる人がいい人なんだろうと推測しています。よっちゃんとは、せがれ(息子)の母親のことです。
ツッコミ
いい結婚ができるといいですね!
(2) 腎臓病は怖いよ!
患者A : あれ、しばらぐ!あんたんちのお舅さん退院したんだって?よがったね~
患者B : 家に戻ったってよ、食事は気を付けなくちゃなんねのに、帰ってきたその日からラーメンの袋ひっちぎって生で食ってんだずや。
だめだよ、っつってもだめだからは~もうかまねんだ。
患者A : くえねぐなるよりいいぞな。は~80過ぎてっぺ。
好きなようにしてやったらいいわ!
患者B : そんでよ、また、足首だのいやっつーほどむぐんちったんだわ。
患者A : 腎臓はな~。たちわりいわな~。
解説(しおり)
ある町医者の待合室での60代の主婦らしき人々の会話です。内容から察するにBさんのお舅さんが腎臓病で入院していたのだけれど、この程退院。食事制限を受けていたのに、インスタントラーメンの袋を明けて生で食べていたそうな。
Aさんは、食べられなくなるよりいいと言っています。
Bさんは、体中にむくみが再発したのを見るに忍びないといった様子でした。
ツッコミ
それでもきっと、完治したら再びやってしまうんでしょうねえ…
(3) 最新技術はすごい?
トミ子 : 最近のカーナビはすごいね!ビニールハウスまでうつってっとや!
直子 : あれ、ほんとだわ。ほんでもこの間この辺にもGPSだかの撮影があってよ!
見せてもらったんだげっとね、家の畑の土手っぱたに積んであったこやしよ。
山って表示でたんだずや!
トミ子 : ほんとげ?正確なんだか、大げさなんだかわかんねわな。
直子 : わらっちゃーべ。こやし山3つぐれ~あったら山脈だぞな!
トミ子 : そだわな~
解説(しおり)
最近カーナビをつけたトミ子さん。友人の直子さんとドライブをしています。画面を見て、ビニールハウスまで表示されていたことに感動!直子さんは、畑に置いておいたこやしがGPSの写真で山と表示された話を驚きとともに話しています。
一昔前のカーナビには、農村部のランドマークは何も表示されませんでしたよね。
ツッコミ
何も表示されない、きれいな画面が山とか森に変わってるわけですね!
(4) ある会社の休憩時間
たけし : かのちゃん、休み何してたの?
かつのり : 休みげ?受粉でおわっちたずや。
たけし : 受粉?
かつのり : ほら、家で梨つくってっからよ、ハチ放して受粉させんだんびや。
蜂屋呼んでやんだげっとよ。大変な騒ぎだわ。
たけし : へ~そうなんだ!はちみつとれんのげ?
かつのり : くんねがったな。はちみつちゃそんなにすぐにでぎんのげ?
解説(しおり)
たけしとかつのりは、20代の会社の同僚です。かのちゃんは、かつのり君の愛称です。
かのちゃんの家では、梨をたくさん作っています。この時期、いい梨を作るために蜂を放して受粉させるようなんですよ。たけしは、はちみつ取れた?と聞いています。かのちゃんは、蜂屋さんがくれなかったと言っています。
ツッコミ
蜂蜜とメープルシロップの区別がようやくつきました
(5) こいのぼりに注意!
栄治 : あ、そういえば今朝テレビのニュースでよ、那須塩原って聞こえたから、何事だよって思って聞き耳たてていたらばよ、こいのぼりが飛んできて新幹線がとまっちったって言ってたんだよ。
ひろし : あ~聞いた、聞いた。あれよ、おめんちじゃねーのが?今年初節句だんべ?
昌男 : そだげっとよ。おらげは、線路の風下だぞ。確かに一匹いなくはなってんだげど。
栄治 : いなぐなってんのげ?もしかすっと、おめげのがもしんねな?
昌男 : しんね~。飛んだのは風のせいだんべや。おらしんねど。
栄治 : 風の日は、こいのぼり降ろしておがなくっちゃだめだんべ!
解説(しおり)
会社の同僚達の会話です。鯉のぼりが線路にかかって新幹線が数十分止まったと朝のニュースで流れたことが話題に上り、ひろしはすかさず昌男の家が初節句でたくさん鯉のぼりがあがっていることを持ち出し、おまえのとこのじゃないのか?と訪ねていました。確かに一匹いなくはなっているのだけれど、風のせいなので、私は知らないなどとのたまっていたのでした。風の強い日は降ろしておくのが常識ですよ。
ツッコミ
脱線した!とか人身事故ではなく、なんともこの地域らしいニュースですねえ
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。